救急認定薬剤師の資格を取るメリット

救急の現場で働く女性薬剤師

救急認定薬剤師とは

救急医療では、身体に損傷や炎症などにより、バイタルサインが大きく変動している時期から、確定診断がついていなくても、治療を始めなくてはなりません。緊急性や重症度を判断し、治療の優先順位を決めて治療を進めていくというのは、救急医療ならでは特徴です。

しかし、救急医療の現場では、救急専門医や救急医療専門の看護師の数に比べて、救急医療についての専門性の高い薬剤師の数は絶対的に不足していました。

特に患者に最も長く接している看護師にとって、薬物療法について相談できる薬剤師の存在は欠かせません。インシデント・アクシデントで最も多いのは薬剤に関連するものであることを考えても、専門性の高い薬剤師が救急医療の現場に求められていたのです。

そんな背景から、2008年度の診療報酬の改定で救急医療に関わる薬剤師が増えたことを追い風に、2010年に日本臨床救急医学会や日本病院薬剤師会が中心となって作られた資格が、救急認定薬剤師です。

救急医療における薬物療法の高度な知識と技術を身につけた薬剤師を育成することが目的です。

資格を取得するメリット

救急医療は医師、看護師、栄養士などの薬剤師との関わりがある職種だけでなく、救急救命士、臨床工学技士、診療放射線技師、ソーシャルワーカーなどの薬剤師と馴染みの薄い職種と連携することが必要です。

資格の取得を通じて、救急医療における薬物療法の知識を身につけることはもちろんですが、他職種が救急医療の現場で何を担っているのかなど、他の職種と連携するため知識やスキルを身につけられることはメリットの一つです。

また、災害時には医師や看護師だけでなく、薬剤師も重要な役割を担います。東日本大震災のときには、薬剤師が活躍していたことがメディアでも取り上げられましたが、初期段階で薬剤師が入っていた医療チームは少なく、各地で薬剤師を求める声があったそうです。

薬剤師の教育課程にはこうした災害時の救急医療についてのカリキュラムは含まれておらず、知識や経験をもった薬剤師そのものが不足していたことがその理由の一つといわれています。

救急認定薬剤師の資格を取ることで、日常的な現場だけでなく、災害時の現場でも役立てることのできる知識と技術を身につけられることは、資格取得のもう一つのメリットになります。

資格をとるには

救急認定薬剤師として認定を受けるためには、下記の10項目すべてを満たしている必要があります。

  1. 日本の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること
  2. 薬剤師としての病院・診療所勤務歴を5年以上有し、そのうち2年以上救急医療に従事していること。
  3. 日本臨床救急医学会の正会員であり会員歴が2年以上あり、かつ会費を完納していること。
  4. 日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、日本医療薬学会認定薬剤師、薬剤師認定制度認証機構により認証された認定薬剤師、あるいは日本臨床薬理学会認定薬剤師の資格を有していること。
  5. 医療機関において、救急医療に関する業務を通じて患者の治療に自ら参加した25例以上の症例を報告できること。
  6. 認定薬剤師認定委員会が指定し、理事会の承認を得た学術集会、研究発表などにおいて、細則に定める単位数を履修していること。
  7. 認定薬剤師認定委員会が開催する講習会を受講していること。
  8. 日本臨床救急医学会評議員または所属施設長の推薦があること。

※平成27年1月23日改定の救急認定薬剤師制度規則を元に作成しています。最新かつ正確な募集要項は必ず主催団体である日本臨床救急医学会にて確認してください。

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