精神科薬物療法認定薬剤師の資格を取るメリット

精神科の女性薬剤師

精神科薬物療法認定薬剤師とは

精神科医療では、入院治療だけでなく、患者さんが地域で自立して社会生活を送れるようにするため、医療と福祉の連携が不可欠になっています。

薬剤師の役割は、統合失調症やうつ病、神経症などの精神疾患に対して、安全かつ効果的な薬物治療が行えるようにすることに加え、医師や看護師、家族、ホームヘルパーなどの地域スタッフへの情報提供という役割もあります。

精神科薬物療法認定薬剤師は、精神疾患や向精神薬、精神保健福祉などの精神科医療全体を理解した上で、薬物療法についての高度な知識と高い技術を備え、チーム医療においての薬物療法の専門家として、貢献するできるようにするための認定資格です。

精神科薬物療法に関わる薬剤師が最新の知識を習得する場を提供するとともに、その知識を客観的に証明できるという意義もあります。

資格を取得するメリット

精神科医療では薬物療法だけでなく、精神分析や精神療法といった人間の精神(こころ)に働きかける治療法もあります。薬物療法についての高度な知識を習得することはもちろんですが、そうした精神科医療全体の幅広い知識を習得できます。

精神疾患をもつ患者さんから薬物療法についての疑問や不安に対して、専門的な知識をもとに答えることができるというのは、一番のメリットになります。

精神疾患の薬物療法は入院しているときだけでなく、退院後も継続する必要があります。入院中から、退院後の生活を見据え、退院後も安心して服薬できるように、患者さん一人一人に合わせた情報提供をするためには、専門性の高い薬剤師の存在は欠かせません。

また、キャリアアップという点においても、専門性の高い薬剤師として病院や会社内で高く評価される他、転職市場においても、他の薬剤師よりも有利に転職活動をすることができます。

資格をとるには

精神科薬物療法認定薬剤師として認定を受けるためには、下記の10項目すべてを満たしている必要があります。

  1. 日本の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること
  2. 薬剤師としての実務経験を5年以上有していること、かつ、日本薬剤師会、日本女性薬剤師会、日本保険薬局協会のいずれかの会員であること。
  3. 日本医療薬学会、日本生物学的精神医学会、日本薬学会、日本病院・地域精神医学会、日本臨床薬理学会、日本社会精神医学会、日本精神神経学会、日本老年精神医学会、日本神経精神薬理学会、日本精神科救急学会、日本臨床精神神経薬理学会、日本認知症学会のいずれかの学会の会員であること
  4. 日病薬病院薬学認定薬剤師、日本医療薬学会認定薬剤師のいずれかの認定を受けていること
  5. 精神科を標榜する病院や診療所、精神科の処方せんを応需している保険薬局に勤務し、精神科薬物療法に引き続いて5年以上直接従事していること
  6. 日本病院薬剤師会が指定する精神科領域の講習会などを、所定の単位(40時間、20単位)以上履修していること。
  7. 精神疾患患者に対する指導実績が50症例以上(複数の精神疾患)を満たしていること
  8. 病院長あるいは施設長等の推薦があること
  9. 日本病院薬剤師会が行う精神科薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していること

※平成27年2月14日改定の募集要項を元に作成しています。最新かつ正確な募集要項は必ず主催団体である日本病院薬剤師会の精神科薬物療法認定薬剤師部門にて確認してください。

認定試験について

問題は全50問。5択の選択式です。問題は基本的な知識から、マニアックな知識まで幅広く問うのが特徴です。例えば、過去で出題された問題としては、精神疾患(総合失調症、気分障害、神経症、アルコール依存症、広汎性発達障害、認知症)の基礎知識、心理教育、向精神薬、抗精神薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗不安薬、睡眠薬などの薬物の知識などについて、出題されています。(平成26年度の出題範囲:https://www.jshp.jp/2014bcppp-test/hani.pdf

合格の基準は非公開ですが、受験者の上位3名の得点平均の75%の点数がボーダーラインとなっている可能性が高いといわれています。例えば、上位3人が全員100点であれば、75点がボーダーライン、上位3人が90点であれば、67.5点がボーダーラインということになります。

合格率は非公開ですが、60%〜70%程度ではないかといわれています。普通に勉強していれば、問題なく合格できるレベルの難易度です。

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